芸能(伝統文化) 平安時代
衵は貴婦人も童女も着たものである。童女は表の衣を着ないため、衵姿ということになる。喪服の黒を着る。綾や平絹を用いたが、色には蘇芳、薄青、紅萌黄などが多く、文様は、亀甲など。時にして、三枚や五枚を重ね着したこともある。
「蘇芳の衵」・「蘇芳の狩衣袴に山吹の衵を着て」・「童女四人の装束 紅の衵 萌黄の織物の衵 山吹桜のかざみ三重襲の袴…」 「栄華物語」
きぬかつぎは初めは、とても重そうな衣を被ったり、太い鼻尾の草履や足駄を履いたり、しかしこの頃の単衣がどのようなものであったかは別に、とにかく衣を被った風習であることは間違いないであろう。上代の襲の遺風かとも見られるが、貴婦人はどれを被って両手で支えたか。それは、顔を人に見られないようにしようとしたのであろう。「薄衣打ちかつぎ」と「平家物語」にはある。また、草履には、太い鼻尾をつけて、時には高足駄も。「見苦しきもの童子のあしだはきたる」「枕草子」。「椙の平足駄」。「高足駄」「今昔物語」などがある。「女どもに黒を掻練り着せ 白土というもの塗りて鬢させて笠ささせ足駄はかせたり」「栄華物語」。
花 カンナ(カンナ科)
英名カンナの語源は、明らかではない。その地の語が伝わったものであるといわれている。このカンナ属は、熱帯アメリカ、アジア、アフリカなどに50余種も産している。その中の西インドおよび南米産のカンナ・エズーリスのごとく、根茎を食用にするカンナもある。また、南方の土人がその種子に糸を通し、首飾りにしているカンナもある。現在栽培されているカンナは、いろいろなカンナの交雑種で、フランス、イタリアなどで改良されているものが多い。明治末年以後、多くの品種が輸入されている。日本への最初の渡来は江戸時代中期という。その頃これをダンドクという名で呼んでいたと記録がある。この種は、痩長な花穂に貧弱な赤色の花をつけたのがカンナの原種的なものであり、今は、この種のカンナは、ほとんど見られていない。実際の花弁は目立たない。花の色は、濃紅、赤、橙赤、橙黄、黄色など。盛夏から晩秋初冬まで咲き続ける。洋花としては、日本に渡来した花の1つといえよう。花言葉は「南の誘惑」。
古代 8月、9月
律の風…律は呂と共に音の調子をあらわす。中国では、律を陽とし、呂を陰とする。日本は逆で、律を陰、呂を陽とした。季節感で、春は陽、秋は陰なので、秋の感じを律の風と言った。
八月尽…八月の終わることで。二月尽、三月尽また、四月尽ほど馴致されていないきらいはあるが夏休みなど季がいよいよ終わるという気分。
文月…陰暦七月の異称。ほぼ陽暦の八月上旬から九月上旬の候にあたる。
菊の酒…重陽の節句に用いる酒。また、菊の花びらを酒杯に浮かべて飲む酒のこと。重陽に栗を食べたり、菊酒を飲み、災厄をはらうというならわしは、もともと中国のならわしを習ったものである。
草の戸や日暮れてくれし菊の酒  「松尾芭蕉」
秋の蚊帳…蚊帳は夏のものであるが、秋になってもつる蚊帳を言う。また、いちまつの寂しさも漂わせる。
蚊帳仕舞夜とはなりけり峯の雪  「小林一茶」